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2005年03月23日

● 雑感(3月23日)


3月も末に近づくと まだ、路肩にかなりの積雪が残る札幌も 少しづつ気温が上がり、春の到来を感じる。




この時期、卒業や入学の季節という事もあって 親戚や友人が多い家庭では「お祝い」や「お返し」のやりとりで忙しい事でもある。


我が家では 私も嫁も それぞれの両親の兄弟が多いので 両家の従兄弟を数えると かなりの数である。


毎年、この時期になると どこかの従兄弟のところで「卒業」「入学」が生じ、恒例のギフト合戦が起こる。 

我が家では 一人娘が もう、とっくに成人しているので 次にお祝いがあるとすれば「結婚」か「出産」であろうから 貰う側と言うより、ここ数年はずっと贈る側に徹している。


嫁は 毎年、この時期になると「なにを贈ろうか…」という問題が生じ、その度毎に品選びに真剣になる。


そういう話題が出てこそ「お? そろそろ春だなぁ…」なんて感じる事、こういうのも 一つの風物詩と言うのだろう。


さて、数日前に 少々、用事があって 何年かぶりに「狸小路」という商店街を歩いた。


札幌では 数少ない、そして歴史的には もっとも古い 街の中央部にある商店街である。


基本的に 近年の札幌は郊外に大型のス-パ-や量販店が建ち並び、昔ながらの中央部のデパ-ト街や地下街に行かずとも 品揃えの良い店があったりする。


また、私が最も身近に必要とする電化製品や本の量販店も 中心部より、郊外の方が大型で品揃えの良い店が多い。


だから、市街中心部にある「狸小路」なんて商店街を歩くのは 実に久しぶりの事だった。


さて、この時期に 狸小路の商店街を歩くと ある独特のシ-ンが目に入り、ひとつの記憶が蘇る。


そのシ-ンとは 新入学と思われる子供と その親が、連れだって買い物に歩く姿である。


学生服の専門店で有名な店の箱、教科書を売っている書店の紙袋、真新しい通学用のリュック… そんな物を親子で手に提げて歩いている姿だ。


私が中学に入学する時、同じ様に 父と母と3人で狸小路の その学生服の専門店で有名な店に行った。


当時、私は身体が小さく、朝礼などでクラス単位で一列に並ぶと いつも、必ず一番前だった。


密かに、その事にコンプレックスを持っていたのだが 父も なにげに気にしていたらしい。


制服のサイズを店員と母が アレコレ言いながら合わせていたら、ニコニコと笑顔で 父が何処からか現れ、


「オイ、アッチの家族見てみろ オマエより小さい奴がいたぞ」


もの凄く嬉しそうな顔で おそらくは「オマエが一番 チビじゃないんだ」と 父は私を励ましてくれたかったのだと思う。


しかし、父は 元々、自衛隊で鍛えた大声の持ち主である。


本人はヒソヒソ声のつもりでも それは店中に響く声でもあったのだ。


指摘された家族の父親が「何だと? この野郎!」と怒り出し、商売上から専守防衛だった父も「売られたら買う」主義だったので「何だ?」と喧嘩が始まったのだ。


今でも、笑い話となって残る 私の父の逸話だが、チビにコンプレックスを持っていた私としては それを思い出すたびに その時の相手の子供に 本当に申し訳ない事だった…と心が痛む。


しかし、豪快だった我が父の愉快な想い出でもあり 心中、複雑でもある。


私が その後に進学した高校は 制服の指定が無い高校だったから 正式には中学時代だけ学生服で過ごした訳だが、ヘソ曲がりだった私は 余程の事が無い限り、詰め襟の学生服を着て高校に通っていたし、父も 「それこそ男の子」と むしろ奨励していた。


中学の頃からの同級生で 高校も同じだった嫁は 中学の時に紺のブレザ-っぽい制服を着ていたが、高校では私服だった。


だから、娘が成長し 中学、そして高校に進学するまで 我が家と学生服とは無縁だったわけで 娘の学生服を見ながら 高校時代を私服で過ごした事を思い出し、


「こういうのって着れる時に着ておくのも 良いモノよねぇ…」


なんてシミジミと嫁が呟くのを聞いて


「やっぱ、女の子って そう言う風に思うものなのか?」


なんて思ったものだが、私は 愛娘が制服に身を包むまでに成長した姿に 目頭が熱くなるばかりだったのだ。




そんなある日の事、外出先で 大事な書類を自宅に置き忘れて 本当は夕方まで出っ放しのはずだったのだが、昼過ぎに急遽 帰宅してみたら…




娘の制服を着た 嫁がいた。




この時ばかりは さすがの鬼(も・もとい!) 愛する嫁もバツが悪かったらしい。^^


顔を真っ赤にして 「青木さやか」が流行らせるよりも 何年も前に


「何 見てんのよ~」


と 吠えていたが、どうしても その姿を写真に残したかった私は 自室から愛用の一眼レフを持ち出し、


「あ、いいねぇ… そこで笑って、そうそう クルッと回ってみようか、よぉし… そこで軽くジャンプだ…」


等と グラビア撮影のノリでパシャパシャとシャッタ-をきっていたら 嫁もソノ気になったらしく…


頼みもしないのに いろんなポ-ズを取り始める。


「この勢いで もう一人、子供を作っちゃおうかな…」


ファインダ-越しに そんな事を思った矢先である。




「何 やってんの?」




見ると、リビングの入り口で 呆然と立ちすくんでいる娘がいた。


私も嫁も 動きが固まった。


「いや、これは だから、あの…」


後にも先にも この時ほど 取り乱した嫁を見た事が無い^^


呆然とした表情から やがて、憤怒の表情に変わった娘が


「私のいない間に 何やってんのよ このバカ夫婦!」


後にも先にも この時ほど 怒った娘を見た事が無い^^;


しかし、私は この時に初めて知ったのである。


「ウチの嫁はコスプレ大好き」


なのだと^^;


それ以来、嫁の誕生日のプレゼントは 何かの「制服」である。


「ナ-ス」、「バニ-」と言った定番はもとより、あらゆる限りのコネを利用して 普通では簡単に手に入らない「スッチ-(ANAの正式な奴)」、いろんなファミレスの店服(アンナ・ミラ-ズが一番お気に入り^^;)等々…


最近では 大抵の事にブツブツ言ってる嫁も 何故か、これにだけは文句を言った事が無い。


寝室のクロゼットの奥には それらの品が ちゃんとハンガ-に下がっている。


先日、たまたま予定がキャンセルになって 夜中の帰宅の筈が、昼下がりになった時の事…


家の中を ナ-ス姿で歩き回っている娘と出会した。




娘よ オマエもかよ!




それって 俺が嫁に贈ったヤツじゃん…




親のDNA(遺伝子)には こういう要素もあるんだね。


「親の因果は 子に報い…」


という 昔の人の言葉は DNAの事だったんだ…。


私は 迷わず、自室に愛用の一眼レフを取りに走り… 写真に納めた事は言うまでも無い。^^;


成人式の振り袖姿の写真も良いが、ナ-ス姿の娘の方が 凛々しく成長した風に感じられるのは 親バカのせいだろうか?…



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