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2005年04月06日

● テレビ事情


著者:倉本聰 文藝春秋

 「新テレビ事情」「新・新テレビ事情」という続本もある。



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倉本聰のエッセイ集である。


記憶がおぼろげなのだが、1970年代の終わり頃から1980年代の初頭、たしか「諸君!」という雑誌の誌上に掲載されていた…と思う。


だから、そこに書かれている事は少なくとも 20数年以上前のテレビ界の話である。


石坂浩二の若かりし頃の話や、石原プロの話など 裏話として面白い物に混じって 富良野に移住して間もなくの 東京人が見た北海道の話には 道産子としての視点しか持ち合わせていなかった私には とても斬新で


「なるほどなぁ…」


と唸る事が しばしばである。


この本を読んで間もない頃、ある新聞社が主催の倉本聰氏の講演会を拝聴にいく機会を得た。


正味2時間 氏の話す 北海道観は エッセイで触れた以上に 非常にユニ-クで勉強になった。


それまでの時点で 倉本ドラマのファンを自認していた私だが、完全に倉本フリ-クと化したのは この本と、それがキッカケで出かけた講演会が原点だ。


そんな話の中で、ひとつだけ 特に感銘を受けたエピソ-ドを述べておく。


大型台風が日本に接近すると テレビやラジオは躍起となって警戒や注意を呼びかける放送をする。


で、四国や東海地方に上陸すると 暴風雨の様や被害を 緊迫感たっぷりに放送する。


で、台風が首都圏を抜けると 妙に朗らかな表情をしたキャスタ-やレポ-タ-が


「大型台風は 東の空に去り、ご覧下さい 今日の東京は台風一過の日本晴れです」


と楽しそうに報じる。


ところが、TVが そんな朗らかな画を写している時、北海道は その台風が上陸して大混乱している時なのだ。


暴風雨に「屋根が飛んだ」「列車が止まった」「崖が崩れた」そんな騒ぎの真っ最中、TVは呑気に「秋晴れの下、今日は過ごしやすい1日でしたね…」とにこやかにレポ-タ-は笑っているのである。


当時は こんな放送が当たり前だった^^;


最近は、だいぶ このようなギャップは感じなくなったけど、それでも時々 同じ様な事はある。


倉本氏は(当たり前の話だが)北海道に住むまで こんな事を知らなかった。


だから、初めて触れた時に 一人のテレビ人として 凄く考える事があったという。


おそらく、沖縄や九州南部に住む人には 北海道とは逆の感覚があると思う。


自分達の地域が 暴風にグジャグジャな時、TVは警戒を呼びかけるだけで あまり緊迫感が無く、関東周辺が緊迫しだした頃は もう後の祭り状態なのではなかろうか?


首都圏偏向という 物の見方、考え方に あらためて気づかされたエピソ-ドだった。


まぁ、言い方は悪いけど 首都圏から離れて 富良野の山の中に住む…というのは ある意味「変わり者」だと思う。


「変わり者」という表現には その人を馬鹿にしたり嫌ったりする意味での使用も多いけど、実際に そんな「変わり者」の物の考え方や見方には 非常に斬新だったりユニ-クなものが多い。


そういう意味で 私自身も「変わり者」になりたい。


そう思った 一冊である。




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お駄賃

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